ボディガード向けナイフの考察


タクティカルナイフ・・・どんなイメージでしょう?
ゴツイ・デカイ・重い・黒い・光らない・ミリタリーっぽい・・・等でしょうか・・・。

ただ、タクティカル業務と言っても、ミリタリー、法執行機関、セキュリティ等々、その任務は
非常に多岐に渡ります。ですから、そこで使われるタクティカルナイフも状況や目的に
合わせた、様々なスタイルのナイフがあっても良いではないでしょうか?

私自身も「タクティカルナイフは多少重くても、頑丈である事!頑丈が命!!」
と思い、作っていた時期がありました。
しかしながら、ボディガードの訓練を受け、現場に出たり、陸上自衛隊及び海上自衛隊の
方々や海外の軍隊や法執行機関・セキュリティ経験者の方々とお話しする機会が増えて、
考え方に変化が起き始めました。

例えば、自衛隊及び軍隊経験者曰く
「頑丈である事は重要なんですが、他の装備との兼ね合いもあって、あまり大きな物や
重い物より、丈夫だけど、軽くて使い易いナイフが良いです。」
と、言葉は違えど、上記のような事を言っていました。

また、法執行機関やセキュリティ経験者は
「装備の関係からも大型ナイフは不要で、刃渡りは7〜15cm位の範囲で、携帯性が重要。」
との事でした。


ここからは個人的見解とお断りした上で、世界中で活躍した経験豊富なボディガードとの
会話や私が受けた訓練の中からボディガードに向いたナイフを考えてみたいと思います。

ボディガードというとスーツ着用のイメージが強いですが、実に様々な服装をします。
紛争地帯のPSC(PMC)の様な準軍事的な装備をする事もあれば、街中で見かける様な
カジュアルな服装からタキシードまで、必要に応じて様々な服を着用しなければなりません。
そのような服装の中で必須の装備は無線機と携帯医療キットで、海外であれば拳銃の
携帯を行う場合もある訳で・・・カジュアルやスーツ、タキシードの様な服装の場合、
携帯可能な装備は極めて限定的となります。

そんな限定された状況ですから、拳銃が携帯可能な状況であれば、武装としての
第一選択は拳銃となりますが、拳銃は使えないけど、ナイフの携帯が可能な状況を
考えてみたいと思います。

個人的に携帯したいナイフはブレード長が10〜12cmで、全長は20〜25cm以内、
ブレード厚は4〜5mm位の薄くて軽いシースナイフを左腰前に若干斜めか水平に装着・・・
もしくは右腰前にリバースで握れる様な配置もありかと思います。
ちなみに無線機は右腰後、携帯医療キットは左腰後に装着して・・・カジュアルやスーツなら
こんな感じで装備すると思います。

フォールディングナイフの方がコンシールメント性も高いですし、ワンハンドオープンの
フォールディングナイフならポケットから抜きながらブレードを起こす事も可能ですが、
ボディガードは襲撃者が接近してからの対応になるので、不確定要素を減らす意味でも
個人的にはシースナイフを推奨します。

もう少し、僕が思うセキュリティ向けナイフについてもう少し詳細に・・・。
上記でも書いてある通りブレード長は10〜12cm、ブレード厚は4〜5mm、全長は20〜25cm、
フルテーパードタング、フラットグラインド、仕上げはヘアラインフィニッシュ、ハンドル材は
目立たない色なら材質は気にしませんが、厚過ぎない事が重要。
バランスに関してはナイフ中央部分よりハンドル寄りにある方が良いと思います。
シースは黒のカイデックスで、最低でも左右で2通りの装着方法が選べる事、ストラップ等で
ナイフをロックしない事・・・そのような事を考えています。

そんな事を考えていたら、ラブレス氏のハイドアウトやニューヨークスペシャルは極めて
理想に近いボディーガード向けのナイフですよね。

今後、そんな海外で活躍するボディガードに「オッ!コレ良いね!!」って
思ってもらえる様な「頑丈が命!軽さが正義!!」なナイフを作っていきたいな。
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